感謝の気持ち


「あのさ、シノ…」

君がいる。
それだけで、俺は幸せになれるんだ。
だから、君がいてくれることに、感謝を込めて。

「あ……あり…」
「アリ…?」
正面で首を傾げるシノに、キバはぶんぶんと頭を振って、違うのだと表現する。
「あ…あり……が…」
「……アリが…?」
シノが痺れを切らす前に言わなければと焦れば焦る程上手く言葉が出てこない。
キバは自身を落ち着かせるために、大きく息を吸って、吐いて、吸った。
そして、ありったけの気持ちを込めて。叫んだ。


「あ…ありがとおぉぉぉぉぉ~!!!!!!!」


ようやく言えた…!とキバがほっとしたのも束の間。
「………お前は、何がしたいんだ…」
見ると、あまりの声のデカさに思わず耳を塞いでいたらしいシノ。
そのため、言葉は全く伝わっていなかった。
「……や…あの…だからさ……」
感謝の気持ちを伝えるのは難しいと、キバは泣きたくなった。





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あとがき
結局キバの心は伝わりませんでしたが。
私の感謝は伝わりましたでしょうか…(甚だ疑問だ;)

拍手、ほんとにほんと―――――に、ありがとうございます!!

あ。ちなみにこの日は、敬老感謝の日です(笑)
















(07/9/17-11/11)