シカマルの理由

「なあなあ、シカマル」
「あんだよ、ナルト」
ラーメンの匂いが立ち込めるお馴染み一楽で、ナルトが唐突にシカマルを呼んだ。
丁度麺を口に運ぼうとしていたシカマルは、心底めんどくさそうに応える。
そんなシカマルの不機嫌を全く意に介さず、ナルトはチョウジの頭越しに問う。
「前々から気になってなんだけどよ~。シノのどこがいいんだ?」
「はぁ…?」
唐突なナルトの問いかけに、シカマルは思わず素っ頓狂な声をあげた。
丁度その時、ズズズズズ~ッとチョウジが麺を豪快にすすり、ナルトとシカマルの間に割って入った。
「チョウジ邪魔だってばよ!」
「んあ? なぁに~?」
「だから邪魔だって!」
ナルトがチョウジの頭を無理矢理押し退ける。
「で。なんでだよ? シノなんて、無口で無愛想で屁理屈ばっかで何考えてるかわかんなくて、俺、あいつ苦手だってばよ」
「なんでって言われてもな……」
シカマルは気怠げに頬杖を付いた。
「あれでけっこー優しいし、気ぃ利くし、静かでめんどくさくねーし。それに何より…」
「それに?」
ナルトが好奇心に身を乗り出す。
シカマルはそんなナルトを真っ直ぐ見て至極真面目な顔で言った。
「俺の前ではカワイイから」

「ぶっっ!!」

シカマルの科白に、隣で食べていたキバが吹き出した。





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あとがき
シカシノでは、両者に身近なキバが被害を被りそうだなと。
恥ずかしいことも平然と言ってしまうシカマルに、迷惑してたら面白い。
次シノと顔を合わせる時、ぎこちなくなってたら面白い。
キバは受け流せなさそうですからね…。
というわけで、可哀相なキバをどうぞ。
















(07/4/28-9/16)