鹿蟲流
天気の良い日。
今日は木陰で、シカマルは寝そべり雲を眺め、シノは本を読んでいた。
「おい、シノ。グラサンはずせよ」
シカマルが何の脈絡もなく言う。
シノが、本からシカマルに視線をうつす。
「何故だ」
「おまえの眼が見てぇから」
簡潔な答え。
シノは眉を寄せ、しばし間を置いてから口を開く。
「では、お前は髪を下ろせ」
こちらも、脈絡無し。
「……は?」
今度はシカマルが眉間に皺を刻んだ。
「下ろすとどれ程の長さなのか、前々から気になっていた」
シノが本を横に置く。
「めんどくせぇ」
寝たままシカマルがいつもの口癖を吐く。
「また結び直さなきゃなんねーだろうが。グラサンなんてはずして掛けるだけなんだから、不公平だ」
しばらくの、沈黙。
風に乗る雲だけが刻々と動いていく。
ふいに草木がざわめく。
その時、ようやくシノが動きを取り戻した。
「なら、俺が結い直してやる」
それなら文句ないだろう、と雰囲気で告げる。
「………まあ…」
ようやくシカマルも体を起こした。
にっと口の端を上げ、シノに向ける。
「それなら良いな」
「あんたらね…」
シカマルの隣で完全に度外視されていたいのが、呻いた。
「休憩中だからって、人前でイチャつかないでくれる?」
二人は何のことだと、いのを見た。
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あとがき
いの、シカマル、シノのスリーマンセル任務設定。
本人達には、イチャついてる自覚は全く無いんです。
アツアツな二人に無意識に被害を被るいの。御免…。
気の毒ないのをどうぞ。
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(07/4/28-9/16)