
朝、これを着ろと無理矢理着せられた服はぶかぶかで、
しかも。
「い、良いぞシノ。に、似合って、る、―――っ!」
「……声が笑ってるぞ」
「わ…笑っ、て、なんか…っ!!」
爆笑された。
「…………」
「や、待て待て脱ぐな脱ぐな。一枚撮るから。ってかお前、
それ脱いだら着るもん無いぞ。素っ裸でいるつもりか?」
「……俺の服は」
「洗濯中だ。暫くは着れねーよ」
「………」
「俺の所為じゃねぇだろうが。恨むなら、鯉なんて抱えてきた
てめぇを恨めや酔っ払い」
「俺は酔っ払ってなどいない」
「素面で鯉抱えて来たってのか? どんだけの天然だよ、お前」
「…………」
「…………」
シャッターを切る音がした。撮られたらしい。
「……どうするつもりだ」
その写真、と問えば、
「心配すんな。ばら撒いたりしねぇし、誰にも見せないから。俺が見て笑うだけ」
「……悪趣味な」
「裸撮るよりマシだろ」
「五十歩百歩だ」
「その割には、大人しく撮られたじゃねぇか」
「…………」
カメラを置く音と、近寄って来る気配がする。
意地でやられたままにしていた、顔を覆うハイネックを下ろされた。
顔が出る。
新鮮な空気が入ってくる。
「…あと一つだけ、言わせてもらう」
キスしようとしてきたのを、余った袖越しに押し返して言う。
「新しいのを出してもらいたい。なぜなら、この服はタバコ臭いからだ」
* * *
以上!
『鯉を持参した後でシノが口をきいてくれなくなった』理由の妄想と、
ぶかぶか服シノ妄想を足し合わせた結果の小話でした!
「え…口きいてるじゃん」とか「カメラなんて持ってるの?」等はつっこみ済みなので
どうか、お見逃し下さいませ…(平に)。。
私、森林様から多大な影響を受けておりまして。
プレイルームのアスシノ絵も、実は頂いたお話を読んで描かせていただいたものなのです。
(描いた後で、「あ、浴衣にすれば良かった…」と気が付いたのですが;)
こちらこそ、お腹一杯胸一杯、妄想一杯(笑)いつも御馳走させてもらっています!
ありがとうございました!!!