風の国。砂隠れの里。
荒涼とした砂漠地帯に築かれた忍の里は、決して恵まれた環境にあるとは言えない。
植物の育たぬ大地。乾燥した気候。
風が吹けば砂塵が舞い上がり、時には砂嵐に見舞われる。
しかしそれでも、人々は強く、たくましく生きて来た。
過酷な環境だからこそ強く結ばれた絆。鍛えられた精神力。培われた知恵。磨かれた能力。
厳しい生活環境が、砂の忍の根幹を成して来たのである。
そんな砂隠れの里で、今、新たな風向きが生まれようとしていた。



序幕・鷹翔天翔



バタバタと駆けてくる足音。
「風影様!」
ドアが開かれると同時に、テマリが振り返る。
「何だ、騒々しい!」
「申し訳ありません! しかしたった今、滝隠れへ向かった隊より、襲撃を受けたとの連絡が!」
「何だと!? 敵は雨か、草か!」
「両方と思われます!」
「雨隠れと草隠れが手を組んだのか…!」
テマリが言葉を失い、腕を組み窓の外を見つめていた風影は僅かに目を細めた。
「………至急…」
低く、しかし淀みない声が静かに告げる。
「応援を向かわせる…。テマリ、人を集められるか」
振り返った風影は、その瞳を真っ直ぐ姉に向け、言った。
その瞳を受けたテマリは、にっと口角を上げて頷く。
「ああ、任せろ。我愛羅……否、風影様」
風影――我愛羅は頷くと、すっと目を横に流した。
そこには、先程到着したばかりの客人が影のように佇んでいる。
我愛羅自身、見知ってはいるがそれ程話した事は無い。
だが、実力を持った、信頼に足る木ノ葉の忍である事は認識していた。
「すまないが、協力してもらえるか。この里には、広範囲の索敵を行える者がいないんだ」
顔のほとんどが隠れた客人がこちらを向く。
目をすっかり覆った黒眼鏡が鈍く光り、我愛羅の姿を映し出した。



新たな風影が就任したのは、数週間前の事。
そして風影となった我愛羅がまず最初に掲げたのは、滝隠れとの友好条約を結ぶ事だった。
滝隠れは、砂隠れが既に友好を結んでいる木ノ葉と条約を結んでおり、砂と滝が条約を結べば、
土の国と雷の国とを分断するような三里同盟が成立するのである。
そうなれば敵国に対する強力な牽制にもなるし、砂にとっては北へ抜けるルートが確保できる。
そうした政策の下、本日、砂は日程の最終確認のために滝隠れの里へと小隊を送った。
襲撃を受けたのは、その隊である。
ただし、もともと襲撃を受ける可能性は考えられていた。
それは、この同盟の成立を快く思わない里があるからだった。
それが草隠れと雨隠れの里であり、この二つの里は砂と滝に挟まれ、南側は木ノ葉有する火の国に接している。
そのため、砂と滝との友好条約は何としても避けたいところなのである。
しかし、この二つの里が協力態勢を取ってくるのは予想外だった。
個性の強いこの二つはいがみ合いも多く、手を組むとは考え難かったのだ。
しかしどうやら、この件に関しては手を組んだ方が得策と考えたのだろう。
草の情報網を以て砂の動向を読み、雨の得意とする奇襲をかけてきた。
しかし。

「ちっ、これだからガキは嫌いなんだよ」

木陰に隠れながら、カンクロウはぼやいた。
今回の任務、リーダーを努めていたのはカンクロウだったのである。
はっきり言って、敵の奇襲は失敗に終わっていた。
普通ならば奇襲の失敗は作戦の失敗につながり、敵は撤退を余儀なくされる。
だが、新米中忍が足を引っ張ってくれたお陰で、どうにも思ったようにいかなかった。
負傷したのはその中忍だけなのだが、傷が深くて動かせず、やむなくカンクロウは自分がその中忍とその場に残り、
他のメンバーを滝隠れへ向かわせるという選択をした。
敵は自身が引きつけたから、恐らく風影の手紙は滝隠れの里長の手に渡っているはずだ。
問題は、この中忍と自身が生還できるかどうか――――だ。
応援は呼んだが、合流出来るかはあまり期待できなかった。
砂隠れは戦力こそ高いが、探索や索敵のスキルが足りない。
その点木ノ葉は、戦力とそうしたスキルのバランスが取れていると言えるだろう。
カンクロウの頭に、木ノ葉の忍犬使いが一人浮かんだ。
正直、それ程強いとは思わない。
だが、其奴の探索・索敵能力がスバ抜けていることは、カンクロウも認めていた。
もし砂隠れに其奴が―――犬塚キバのような奴がいたら助かるんだがな、と思ったが、そんな期待をしても仕方がないと首を振る。
今は兎に角、自分たちが生き残ることを考えなければ。
そう思い、カンクロウは横たわった部下の様子を窺った。
毒が回っている。 カンクロウも毒を扱うため解毒剤を持ってはいるが、自分の毒にしか効果がない。
あまり動かすと毒の回りが速くなってしまう。だが、ずっと同じ所に止まっているわけにもいかないので、
カンクロウはできるだけ動かさないように注意を払いながら担ぎ、敵を警戒しながら移動を始めた。
新米の中忍は、まだ若い。
若いと言ってもカンクロウと3歳程しか違わないが、カンクロウにとっては十分ガキだ。
「………ガキは、嫌いじゃん…」
カンクロウはまた呟いた。
分別が無い。言う事は聞かないし我が侭だし生意気だし。
不意に、弟の顔が浮かんだ。
風影になった

あいつは…。


ガサッと微かに音がして、カンクロウははっとした。
敵襲。
上からだ。
部下を背負ったままカンクロウはクロアリを即座に出し、飛び込んできた敵を捕らえる。
そして、カラスで仕留めた。一瞬だった。
だが、どうも――――おかしいと感じる。
手応えが無い。
すると、クロアリから溢れてきたのは赤い血ではなく、水だった。
「分身かっ!」
カンクロウが叫ぶのと同時に四方八方から敵が飛び出してきた。
分身も混じっているのだろう。数が多い。
「――――っ!!」
カンクロウが傀儡の術で応戦しようとした、その時。
ザアッと風が吹くような音がして、空が真っ黒に染まった。
「な…何だ…?」
驚いて見れば、空中にいた敵が黒い霧に呑み込まれている。
否。霧ではない。これは――――
蟲だ。
カンクロウにはすぐに分かった。見覚えがある。
空を覆い、蠢く大量の蟲。
これは、彼奴の――――。
カンクロウは気配を察して背後の木を見上げた。
そこに居たのは――――。

「お前は……」

鶯色の上着がなびく。目深に被ったフードの下から覗く濃い黒眼鏡が、カンクロウを見据える。


「…………。…誰だ?」


見覚えが無かった。
しかしそう言った途端、その見知らぬ人物は一瞬でカンクロウの目の前に下りてきて、鼻が付くかと思うほど顔を突き合わせ、
「………忘れたとは……言わせない…」
と低く押し殺したような声で言った。
その声には―――聞き覚えがあった。
「あ…ああっ! 蟲使い、の…油女シノ!」
カンクロウが思い出したように言うと、シノは「……そうだ」と言って身を引いたが、怒りのチャクラが目に見える程立ち上っていた。
「べ…別に忘れたわけじゃねぇよ。ただ、よぉ、お前、そのカッコじゃ…わかんないじゃん」
口元まで覆う襟。
目深く被せられた上着のフード。
そして完全に目を覆った黒眼鏡。
カンクロウの記憶にある以前の恰好もほとんど顔が見えなかったが、今の恰好は更にヴァージョンアップしている。
これで判れと言うのは無茶である。
とは思うものの。
今はそんなことを言い合っている場合ではない。
「何でお前がここに…?」
カンクロウが尋ねると、シノはまだ少し拗ねていたらしい。
「俺では不服か」
と尊大ながらもいじけたように返してきたので、だからガキは嫌いなんだとカンクロウは顔を引き吊らせて
「そーゆーことじゃなくて!」と声を荒げた。
それで漸く、カンクロウの意図を汲んだらしい。
「お前達を発見するのに協力した。もうすぐ、応援部隊が到着する」
とまともな答えを返してきた。
そしてふと、カンクロウの背中を見て一言。
「……毒か」
「あ?……ぁあ」
カンクロウは一瞬何の事かわからなかったが、どうやら部下の事を言ったらしいと気付くと、「そうだ」と答えて静かに下ろした。
「解毒できるか」
「薬は持っていないが、応急処置ならできる」
シノはそう言うと、部下の傷口に手を添えた。
医療忍術でも施すのかと思って見ていたら蟲が湧き出してきたので、カンクロウは慌てた。
「お…おい、何する気だ?!」
「毒素の分解だ」
「そ…そんな事もできんのか。……大丈夫なのか?」
「心配は要らない。人体に棲む蟲だ。害は無い」
「……そうか」
シノは淡々と答えて、毒の分解を始める。
カンクロウは黙って見守っていたが、不安は拭えなかった。
何よりシノの蟲には昔酷い目に合わせられたものだから、未だに若干トラウマになっているのだ。
しかし、今は味方だ。信じるしかないだろう。
「カンクロウ!」
そんな時、頭上からテマリと数人の砂の忍がやって来て降り立った。
「テマリ」
「良かった、無事だったんだな」
「……俺はな」
カンクロウは一度応急措置を施されている部下を見、テマリを見て、肩を竦めた。




応援が来たことを察した敵は、撤退したらしい。
テマリ達を滝隠れへと向かわせ、小隊と合流するよう指示したカンクロウは、応急手当を終えたシノと負傷者を連れて砂隠れの里へと戻った。
病院に預けてから風影への報告を済ませ、検査結果を待つ。
その間に帰ってきたテマリ達から、滝隠れへの使者は無事到着し、条約締結の土台は整えられたことを告げられた。
任務完了というわけだ。
だが、一件落着と思った矢先、テマリから思わぬ次の任務が告げられて、カンクロウは目を丸くした。
「はあ?! 何で俺が!」
「文句言うな。風影様からの指令だぞ」
きっぱり言い捨て、去っていくテマリ。
カンクロウは、我愛羅に物申したくて堪らなかったが、任務なら……仕方ない。
顔に不満げな表情を浮かべたまま、後ろを振り返る。
シノは、廊下の壁に背を預け、俯き加減で沈黙していた。
与えられた任務は、その男の案内兼世話係だった。
もともと砂隠れと滝隠れの仲介役として派遣されてきたらしく、数日後に確定した調印式に立ち合うため、それまでは砂隠れの里に滞在するのだそうだ。
なので、その間の世話係。
何で俺がガキのお守りをしなければならないんだと思う物の、まあ今回は一応助けられたのだし、と我慢しつつ。
カンクロウは検査結果を聞いて部下の無事を確認した後、シノを病院から連れ出して街へと出向いた。



「まずは、宿決めか?」
問えば、フードの中で僅かに頷く。判りにくい、とカンクロウは思った。
「………」
「………」
そして会話が続かない。
取り敢えず知ってる宿屋へと足を向ければ、シノは何も言わずに付いてきた。
黙々と町中を歩いて行く。
全く以て、気まずかった。
しかし、きっと案内されている方は気まずさのキの字も感じていないんだろうなと思うと、
一人気まずさを感じている自分が惨めで情け無く、悶々とした。
せめて表面上は平静を装おうと、正面を向いて歩く。
と。
チラと横を向いて見れば、並んで歩いていたはずのシノの姿が無く。
「って、お、おい! どこ行きやがっ―――!」
慌てて振り返ると、数メートル手前で足を止めているのを見つけた。
「何やってんだよ!」
「あれは何だ?」
「ぁあ?!」
「家々に飾られているので、目に付いた」
こちらは怒鳴っていると言うのにシノは全く動じず、自分のペースで尋ねてくる。
あれ、と言われて、憤りながらもシノの視線を辿れば、そこには小から大まで連なった茶色い紙風船が掲げられ、風に揺れていた。
「ああ、鷹翔だな」
「……タカケ…?」
「知らないのか? こどもの日に掲げて、成長を祝うんだよ」
「……鯉幟のようなものか」
「コイノボリ…? 何だそりゃ」
「魚の鯉を模した幟だ。木ノ葉ではこどもの日にはそれを揚げる」
「鯉が空飛ぶのか?」
「昔から『鯉の滝登り』と言われ、鯉が空に登ると龍になると言われている。鯉が龍に成ることから、出世を表すようになったと聞く」
「はぁ~、滝ね…。砂じゃあ滝も鯉も馴染みがないからな。鷹翔は鷹の方翼を表してるんだそうだ。
昔、片方の翼を折った鷹が、それでも空を翔続けたって話から来てるらしい。まあ要するに、根性持てってことじゃん」
カンクロウの飛躍した要約に、シノはサングラスの奥で少し目を細めた。
だが、シノが笑ったことにカンクロウが気付くことはない。
「ああ、そーいうや鯉と言えば、昔食ったことがあるな」
と、思い出したように言った。
「……鯉を?」
「食った。ちょっと泥臭かったが、まあ、魚だしな」
物知りそうなシノが知らなかったらしい様子に、カンクロウは気分を良くしてにっと笑った。
そして、鯉ならもっと面白いものがあると、シノをある店に連れて行った。
こぢんまりとしたその店は、カンクロウが子供の頃から通っている馴染みの店で、絡繰り人形や絡繰りの玩具を専門に扱っている。
売り物は全て手作りで、店主は既に80近いというのに現役バリバリの爺さんである。
「よぉ、爺さん」
「ん? おお、カンクロウか。どうした、また部品を壊したか? それとも…ん? そちらさんは…」
店主はカンクロウの後から入ってきたシノに目を留めると、老眼鏡を動かしてじっと見た。そして、
「なんじゃ、お前ようやくデキたのか」
コレ、とニヤニヤ笑って小指を立てたものだから、カンクロウは間髪入れずに突っ込んだ。
「アホかっ!! よく見やがれもうろくジジイ! 男だろうがっ!!」
ドンッと店主の前の机を叩き、力一杯シノを指差す。店主ももう一度眼鏡を動かして目を細めてじっとシノを見つめた。
だが…と、叫んでから思う。
この恰好では、性別の判断も難しいかもしれない。
いやいやでも、しかし、この背丈ならわかるだろ。
と考えて、カンクロウははたと気付いてしまった。

もしかしてコイツ、俺よりデカイ……?

凝視して見れば、シノは、値踏みするようにじっと見つめる店主の視線を、黙ったままじっと見つめ返していた。
さっき並んだ時は、大体同じくらいの身長だったように思う。
しかし、考えてみればコイツは自分より二つも年下なのだ。
何だかちょっと………負けた気分になった。

「……で、お前は何を見せたかったのだ」

漸く、シノが口を開いた。
じろじろと見られて気分を害したのか、眉間には皺が寄っている。
ただし、それが常時の表情という可能性も十分にあった。
「あ…ああ」
言われて、この店に来た目的を思い出したカンクロウは店主に
「爺さん、『ニシキ』あるか?」
と尋ねた。
店主はまだシノを見ていたが、そう言われて「ああ、あるぞ」と応えると、店の奥に引っ込んでいった。
そして手に――――黒い鯉を持って出て来た。
「コイツは『錦』っつって、爺さんの昔の作だがな、面白いんだ」
近くに寄っていたシノが覗き込む。
材料はよく分からないが、漆塗りのように見える。
黒い塗料は黒光りしていて、本物の鱗みたいだ。
大きさも本物の鯉と変わらず、顔や尾ヒレも実にリアル。
ただ、やはり所々継ぎ目が見えて、作り物だとわかる。
ここじゃ狭いということで、カンクロウはその錦を外へと持ち出した。
店主は何も言わず、一緒について外へ出てきた。
「まあ、見てるじゃん」
シノは店の入口でそう言われたので立ち止まり、黙ったまま動向を見つめた。
カンクロウが、錦を地面に置き、構える。
「見物だぞ」
横で、老店主が囁いた。
その顔は、期待に満ちて嬉々としている。
シノはカンクロウと錦に視線を戻した。

「カラクリ演劇・錦」

カンクロウが指を動かした――――
途端。
まるで生きているかのように飛び跳ねた。
もちろんカンクロウが操っているのだが、全くそんな風には見えないぐらい滑らかで自然な動き。
ピチピチと動く姿は、今まさに息を吹き返したようだった。
街往く人が足を止める。
周囲の家から子供たちも飛び出して来た。
絡繰り鯉はどんどん高く飛び跳ね、そしてカンクロウが操作の型を変えると、何かが作動したらしい。
空中でカチカチと鱗の一つ一つが反転し、真っ黒だった鯉が、なんと金色に変わった。
眩い金色の鯉が、チャクラの糸に操られて優雅に宙を泳ぐ。
カンクロウの技が巧みなのだろう。
本当に、空を泳いでいるようにしか見えない。
パチパチと、周囲から拍手が起こった。
武器ではなく。
遊戯としての絡繰り演劇。
きっとこれが、本来の姿なのだろう―――とシノは思った。
今でこそ絡繰りの技術は忍の技として定着しているが、恐らく元々はこうした遊びや娯楽、芸術として磨かれていた技なのだろう。
見事な宙返りを決めてくるりと身を翻した絡繰り鯉は、再び黒色に戻ってカンクロウの腕に収まった。
「終劇――――」

カンクロウが終演を告げれば、大きな拍手が起きた。大半は、子供たちの拍手だ。
終わった途端にわっと駆け寄ってきて、「スゴイスゴイ」と大はしゃぎ。
「ね、もっかいやって!」
と、まとわりついてくる子供たちに、カンクロウは顔を顰めて
「やんねーよ」
と子供の頭を小突きあしらいながら、シノの方に戻ってきた。
「どうじゃん?」
「うむ。見事だった」
得意げに訊いてくるカンクロウに、シノが頷いて答えると、満足げに笑う。
だが「ねえねえ」と服を引っ張ってくる子供たちに、すぐに怖い顔に戻った。
「もう一回! やってよカンクロウ!」
「やんねーっつったろ。それに呼び捨てにすんなじゃん」
邪険にしているわりに好かれているらしい。
わらわらと子供たちに集られている。
だがその中でも我の強そうな子どもが、シノを見るとターゲットを変えてきた。
もちろん、新たな標的は、そこにボサッと突っ立ていたシノである。
「アンタ、木ノ葉の忍だろ!?」
額当てが見えたのだろう。
シノが、見上げてくる子どもに視線を落とす。
少しキバに似ているな、とシノは思った。
「なあ、アンタもなんかやって見せろよ!」
「なっ、お、おいこらっ! 何言ってんだ!」
子どもの発言を聞いたカンクロウが慌てて子どもの頭を押さえ付け、叱る。
しかし子どもの方も負けじとすり抜け、やって見せろと木ノ葉の忍を挑発する。
木ノ葉なんかに何ができる、といった態度だ。
「だからやめろって―――!」
止めさせようと手を伸ばすカンクロウ。だが、伸ばされた手によって制される。
見れば、シノが子供をじっと見据えたまま制していた。
驚いて見ていると、不意にシノがカンクロウに顔を向けて尋ねてくる。
「いいか」
「……いいかって…やんのか? まあ、やりたいならやってもいいけどよ…」
カンクロウは困惑気味に答えたが、どうやら質問の意図は違ったらしい。
「否。そうではない。蟲を使っても良いのかと訊いている」
そう言われて、ああ、とカンクロウは気が付いた。
確かに、他の里で勝手に術を使うわけにはいかない。
「……ああ。構わないぜ」
カンクロウはちょっと笑って答えた。
律儀だなと感心すると同時に、蟲を見た子供たちの反応を予想して面白くなったのだ。
「………では」
シノが両手を水平に上げて構える。
子供たちが、数歩後ずさって離れた。
何が起こるんだろうという不安と期待の入り交じった顔を眺めて、カンクロウがニヤリと笑う。
他の里の忍の技を見られるなんて、そうそうあることではない。
ガキ共には良い経験になるだろう、と思った。
シノは構えたまま動かないが、その緊張した空気に、周囲は静まり返っている。
子供たちは固唾を呑んで見守る。

ふわりと、シノの服が膨らんだ。
ザワザワと、異様な空気が静かに人々を包み込んでいく。

―――――いつの間にか。
カンクロウもその空気に呑まれていた。
訪れる、完全な静寂。
そして次の瞬間。

ザアッとシノの袖から蟲が飛び出した。

初めて見た者は、それが蟲だとは気付かなかっただろう。
黒い霧のようなそれは空に広がり、ぐるぐると回転する。
子供たちはぽかんと口を開けて、その様を見上げていた。
シノが軽く手を振れば、一所に固まり、そして一気に霧散する。
「……戻れ」
静かな命令に、霧はザアアァァとシノの袖の中へと戻っていった。
その様は蟲使いであり、風使いのようにも思えた。
――――否。
テマリの使う風とは違う。
どちらかと言えば、そう、空気を操っている感じか。

蟲が全て戻り終えると、ふわっシノの服が落ち着く。
子供たちも、カンクロウも、全ての人が見取れていた。
「……ス…」
シノを挑発した子供が息を吸い込み、
「スゲェ―――!!!」
と叫ぶまで、周囲は静寂に包まれていた。
ザワザワと、漸く音声が戻ってくる。
パチパチと拍手が起こる。
キャッキャと子供たちが騒ぎ出す。
しかしカンクロウは―――まだ言葉を失っていた。

こんなに目を奪われるとは、思っていなかった。

シノの蟲は見た事もあれば対峙した事すらあるのだ。
それがこんなに――――綺麗に見えるなんて。
カンクロウは信じられなかった。
「……………」
何と言っていいかわからない。
目の前で子供たちに囲まれている男に、何か特別な感情を感じた事は無い。
ただの友好条約を結んでいる他国の里の忍で、負けるつもりはないが実力は認めている。
それだけだ。
友人でもなければ好敵手でもない。
ただの――――。
「カンクロウ」
突然名を呼ばれて、思わずビクリとした。
ちゃんとして見れば、シノが振り返っている。
「そろそろ行こう。宿を決めねばならない」
「あ……あぁ…」
カンクロウは腕に鯉を抱いたまま、気の抜けた返事を返した。



宿屋へ向かう道。
やはりどちらも喋ることなく、沈黙している。
最初に「ガキ共が我が侭言って悪かったな」というカンクロウの言葉に、シノが「自分の里を誇るのは良い事だ」と応えたきり、会話はない。
しかしその沈黙に、カンクロウの悶々とした頭の中は、更に騒がしくなっていた。
気まずさを感じる余裕もない。
得体の知れない焦燥と、困惑と、心拍の上昇に混乱している。
「あ……あのよ…」
そして、そのせいで、思い掛けない言葉が、口を吐いて出てしまった。
「ウチに……泊めてやろうか…?」
それまで淡々と動いていたシノの足が―――止まった。

砂の家屋は、木ノ葉と違って靴を脱がない形式が主流だ。
土作りの円テーブルが中央にあり、それを囲むように丸い椅子が設置されている。
どれも床と一体化していて、動かす事はできない。
木ノ葉の建築様式とは全く異なっている。
そんなカンクロウの部屋を見たシノの感想は、
「蜂の巣のようだな」
だった。岩壁や土に巣穴を掘る蜂を思い起こしたらしい。
「失礼な」と言ったカンクロウに、シノは真顔で「褒めたつもりだ」と返してきた。
虫の作る巣は大抵が合理的で無駄が無く、非常に素晴らしい出来映えなのだそうである。

思い掛けない申し出をしてしまったカンクロウは、その後暫くは悶々と一人後悔の念にさいなまれていた。
何を考えてるんだ俺は。
どうしてあんなことを言ってしまったのか。
というか、何故受けるんだ。
そこは遠慮して断るところだろう。
と、徐々に徐々に、自分への叱責からシノへの八つ当たりに変わっていった。
だが、遠慮無くカンクロウの申し出を受けた当の本人は、初めて訪れたカンクロウの部屋を物珍しげに眺め、あの蜂の巣発言である。
気も抜けるだろう。
それに、カンクロウが趣味で集めたカラクリ人形に興味が湧いたらしく。
「触っても良いか」
と訊いてきて、許可すれば手にとってしげしげと眺め始める。
無表情だが、様子から察するに興味津々らしい。
「これは何だ」「ここはどうなっている?」「仕掛けがありそうだな」と、まるで子供みたいに弄くっている。
カンクロウは黙ってその様子を眺めていたが、シノが自慢のカラクリを手に取ったため居ても立っても居られず、立ち上がった。

「それは、かなり珍しいお宝じゃん―――」

こうして、数時間にも及ぶカンクロウの、コレクション自慢は始まった。



カラクリ人形についての熱弁に区切りが付いたのは、すっかり外も暗くなった頃。
カンクロウが時間に気付くまで、シノはカンクロウの話を折ることなく、最後まできちんと聞いて付き合っていた。
「わ…悪いな。長々と語っちまって…」
漸く話しを終えたカンクロウは、シノに謝った。
こんなつまらない話、聞いていても楽しくなかっただろう…と言うと、シノは否と応え、
「とても面白かった。時間があればまた聞かせてくれ」
と言った。真顔で言われても説得力が無いが、お世辞にも聞こえない。
とことん素直な感想なのだろう、とカンクロウは思った。
そして、初めてシノに好感を持った。
「そ、そうか…。そりゃ良かったぜ。どうも俺の趣味はなかなか理解してもらえなくてな。
テマリなんかには、『人形とばっか遊んでるから友達ができないんだ』とか言われてよぉ。好きなんだから、良いじゃんよ」
「………その気持ちはよく解る。俺もキバに、そのような事をよく言われた」
「わかってくれるかっ」
「ああ」
カンクロウは嬉しさのあまり思わずシノの手を取って握り締めそうになったが、寸でのところでそれは止めた。
だが、理解してくれる者がいるのというのは、やっぱり嬉しい。
「じゃあ………そろそろ風呂にでも行くか」
嬉々とした気持ちで立ち上がり、意気投合した理解者を誘う。
だが、シノはちょっと困ったような顔でカンクロウを見上げて言った。
「行くというと…」
「銭湯に決まってるじゃん。ここじゃ水は貴重だからな。風呂に入るなら銭湯に行くしかないんだよ」
カンクロウが言うと、シノは共同風呂か…と言って考え込んでしまう。
そして、「取り敢えず今日はいい」と言った。
何でと訊けば、「事情がある」とだけ返される。
少し残念ではあるが。そう言われてしまっては、何も言えまい。
「じゃあ、俺一人で行ってくるじゃん。風呂はないが、シャワーなら一応あるから使えよ。タオルも使っていい。だた、あんまりちゃんと出ないからな」
頷くシノを残して、カンクロウは一人銭湯へと出掛けて行った。

ぽつんと一人残ったシノは、シャワーを借りる事にした。
着替えを用意して、洗面所で服を脱ぐ。
体には、ぽつぽつと赤い跡が残っていた。
こちらへ来る前の晩に付けられた跡だ。
その跡をそっと撫で、小さく息を吐いてから、シノはビシャビシャと確かに出の悪いシャワーを浴びた。


銭湯からの帰り道。
カンクロウは冷蔵庫に食べ物が殆ど入っていないことを思い出して、買い物に寄った。
シノの食べ物の好みなど知らないので、適当に買って、ついでに酒も買う。
何だか今日は気分が高揚していて、飲みたい気分だったのだ。
シノが飲むかは判らなかったが、これは少し多めに買っておいた。
家に帰れば、シノはシャワーを浴びたのか、既に着替えて座っていた。
帰宅して誰かが待っているというのは久しぶりで、何だかちょっと可笑しかった。
だが、かけられた言葉は「おかえり」ではなく。

「…………。……誰だ?」

だった。
確かに、頭巾を取って隈取りを落とした素顔ははじめて見せたから、判らなくても仕方ないかもしれない。
かもしれないが、ここは自分の家なのだ。
他に帰ってくる者などいないのだから、誰と訊かずとも誰かはわかるはずだ。
なので、カンクロウは思った。
「……そりゃあ、今日の仕返しか?」
思うだけでなく口に出して言えば、シノは沈黙して顔を背けた。
どうやら、すぐにわからなかったことをまだ根に持っているらしい。
そう言えば、と、以前キバに「シノはメチャクチャ執念深いから気を付けろ」と言われたことを思い出す。
これだからガキは…と心の中で呟きながら、カンクロウは買ってきた袋をテーブルに置いた。

砂隠れでは、酒は18から飲んで良い事になっている。
そう言えば「まだ17だろう」と言われたが、「もうすぐ18じゃん。細かい事は気にすんな」と返した。
それに、酒は少し前――上忍になった時――から飲んでいる。美味しいと素直に思うし、大人の飲み物だというのが好きだった。
シノは未成年だからと言って飲まなかったから、一人で飲むことにする。
気分はどんどんと昂揚し、普段なら言わないような事が口からぽんぽん飛び出して来る。
下ネタであったり、各国の情勢への自分なりの分析だったり色々だが、大半は愚痴だ。
自分はこんなに苦労しているのだと、それ程親しくもない木ノ葉の忍――しかも年下ク――に愚痴る。
迷惑極まりないが、シノは何も言わずに黙って聞いていてくれるので、止まらない。
陽気になっていたのが吐露する度にどんどん落ち込んでいって、結局、泣き上戸の絡み酒のようになった。
最悪である。
だが、止められない。
シノの方に回り込み、「お兄ちゃんは大変なんだ」と滔々と訴える。

――――みんな我愛羅我愛羅ってさ
――――姉ちゃんも我愛羅のことばっかだし

テマリのことを姉ちゃんと最後に呼んだのは、もうずっと昔のことだった。
でも、我愛羅中心になったのは最近のことではない。
昔から――生まれる前から、我愛羅は特別で、みんなの注目の的だった。
それが良い事ばかりではないということは、幼いカンクロウにもわかっていたけれど。
やはり、弟ばかり特別なのは気に食わなかった。
我愛羅の存在は、カンクロウから色んなものを奪っていった。
長男としての尊厳も。
父の愛も。そして母も。
兄として期待されるのは弟の御機嫌取りばかりで、如何に我愛羅の機嫌を損ねないか、怒らせないかに神経を磨り減らす日々。
それが出来なければ、兄としての役目を果たせと叱られて、役立たずと誹られる。
自分の価値は、我愛羅の兄であるという事だけだった。
募る怒りと憤り。
けれど、どう足掻いても我愛羅は矢張り特別で、絶望的に絶対的な存在だった。
格が違う。レベルが違う。何もかも。全てが違う。
嫌だった。
怖かった。
居なくなって欲しかった。
だから。
我愛羅が泣いていると知っていても。
傷付いているとわかっても。
手を差し伸べてなどやらなかった。
苦しめば良いとさえ、思っていたかもしれない。
幼稚な嫉妬と、羨望と、恨みと憎しみを抱きながら恐怖する屈辱感。
今はさほど思わない。
ただ、そう思っていたという後ろめたさが多少残っている。
こんな自分が、今更掌を返して手を差し伸べて、良いのだろうか。
今更兄貴面をして、良いものか。

「ガキは、嫌いなんだよ……」

独り言を呟く。

分別が無い。言う事は聞かないし我が侭だし生意気だし。
意地っ張りで頑固のくせに意気地なしで、自分の事しか考えられない。

そんなガキが――いつまでもガキな自分が――嫌いだった。


もう、どこまでが思っている事なのか、口に出して言っている事なのかは、さっぱりわからなくなっていた。
夢の中か現実なのかも定かじゃない。
ただ、包み込んでくれる温かな空気が心地良くて。
頭を撫でられるような感触に、母の温もりを思い出す。

――――俺の手は
――――俺の手も、誰かを撫でてやる事ができたんだろうか

背中を向けた小さな弟に手を伸ばして。
カンクロウは、眠りに落ちた。



               *



目が覚めた時。
いつもとは違う目覚めだと、カンクロウは思った。
何かを懐に抱いている。
――――否。
何かの懐に抱かれてる?

はっとして頭を上げれば、その気配で起きたのか、カンクロウの枕にされていた其奴は――油女シノは――
カンクロウを見て、「起きたか…」と言った。
「??!??!!?」
吃驚して勢い良く起き上がれば、椅子から転げ落ちた。
肘や足がテーブルにぶつかって、酒の缶や瓶が倒れる。
数個がテーブルから落ちて、カラカラと床を転がった。
「お、お前…っ、否、そうだ、確か…昨日…」
「酒の飲み過ぎだな。随分酔っ払っていた」
シノの淡々とした科白に、カンクロウはうっと言葉を詰まらせた。
そうだ。ついつい飲み過ぎて…と段々記憶を取り戻していく。
そして、一気に冷めた。
「あ…お、おい! お前何聞いて――否、俺、昨日……何言ってた?」
どこからが夢なんだか何なんだかさっぱりわからなかったが、何か心情を暴露していたような気がしないでもない。
「何…と言うと、色々と言っていたが……そうだな…」
ふむ、とシノは少し考えてから徐に立ち上がると、尻餅を付いているカンクロウの横にしゃがみ込んだ。
そして、ぽんっとカンクロウの頭に手を置いて。

「『お兄ちゃん』が大変だということはよく解った」
と言った。

「――――――――っ、」

頼むから夢であってくれと思い、期待を込めてシノに確認したのだが、その願いは虚しく散った。
ニヤニヤと、笑いながら言われたのなら怒鳴ることもできるが、真顔で言われてしまっては怒るに怒れない。
顔を真っ赤にして、シノの手を振り払うかのように勢い良く体を起こす。
尻や背中に、土埃が付いている上、変な体勢で眠ったせいか、体がちょっと痛かった。
そんなカンクロウの様子を窺っていたシノは、再びゆっくりと立ち上がると、窓の外に目を向けた。
向かいの家の窓際に、鷹翔がまだ飾られている。
翼を折っても尚空を翔たと言う、こどもの日の縁起物。
祝う形式は違っても、子供の成長を願う気持ちはどこでも同じだ。

「………生きた長さの違いは、その間に培うことのできる物事の、相対的な量が違うというだけだ」

不意に発せられた言葉に、カンクロウが訝しげな顔で振り返る。
まだ僅かに赤く染まったその顔を見据え、シノは続けた。

「長く生きれば、それだけ多くの事を学べる。だが、長く生きたからと言って多くを学んだとは限らないし、
少ない年月と言って侮るべきでもない。子どもか大人か…それは、非常に判断の難しいことだ。年齢だけでは判らない。
自分ではまだまだ未熟と思っても、他者から見れば十分ということもある」


――――何なんだコイツは。

カンクロウは思った。


「俺から見れば、お前は十分頑張ってきたし、これからはもっと頑張れるだろう」


自分より二つも年下の、中忍の、ガキの癖に。


「何故なら、お前にはこれまで培ってきた技と、心がある。そして、今までよりもずっと大事な、守るべきものを手に入れた」


どうして


「立派に天を翔け出した鷹だと、俺は思うぞ」


こんなに―――


「………ガキの説教なんて……御免じゃん」
カンクロウは真っ直ぐ見据えてくるシノから視線を逸らした。
畳んだ頭巾を取り、口角を僅かに上げる。

これだから―――ガキは嫌いだ。

ぐっ、と黒い頭巾を握り締めた。
背中を預けてくれる、弟の姿が浮かぶ。
――――全く、世話が焼けてしょうがねぇ。




「……一つ、良い事教えてやるよ」
カンクロウは笑みを浮かべて振り返り、言った。
「鷹翔はひとりで飛んだんじゃない。仲間と支え合って、飛んだんだそうだ」
シノは表情を変えなかった。
ただ、「そうか」とだけ言って。

その身に纏った空気を、ほんの微かに―――和らげた。






――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あとがき
ヒャッホゥ!!! やっちゃいました、カンシノです!!
ヘタレ度MAXのカンクロウ×シノです!!!(笑)
4月の終わり頃に『曲がったハナメガネ』のスガメネ様と絵チャをさせていただきまして。
色々新たな扉が開きました!
その中の一つがカンシノです!
これまではシカシノの中にちょこっとカンシノ風味を混ぜ込んだりしていましたが。
今回はマジなカンシノですよ!
甘くはならなかったれど…。
シノには既に相手が居るという設定ではあるけれど…(シカシノとは限らない)。
カンクロウが報われることはないけれど…!(酷)
それでも、カンシノったらカンシノです。
スガメネ様とのお話に刺激されて出てきた発想を、一杯詰め込まさせて頂きました。
例えばシノが「お兄ちゃん」と言ったり。
シノのことすぐに誰かわからなくて、カンクロウが拗ねたシノの御機嫌取ったり。
「お前が教えてくれるのか…」と言うシノの科白に慌てるカンクロウ―――ってのも入れたかったのだけれど、ちょっと無理でした。。

でも、『者の書』によると、カンクロウの身長が175.0cmなのに対して、シノの身長は175.1cmなんですよね。
……シノの方がデカイのか!
と、新発見をしました。
でもその割に体重は約5kgカンクロウの方が重いという。
押し倒されたら大変だなぁ…シノ力無いし。
……な~んてことは、勿論思いましたとも(笑)


カンクロウとシノは、マニアックなオタク同士、気が合いそうだな~と思います。
カラクリ相手のカンクロウと、虫相手のシノ。
お互い理解者が少ない寂しさを埋め合うと良いよ…!
砂隠れをメインにしたのも、カンクロウの心情を考察したのも初めてだったので、
どこか不備とか矛盾があるかもしれませんが、どうぞ御了承下さいませ。。
はっきり言って、これまでカンクロウに注目したことは殆ど無かったので。
でも書いてみると、案外楽しかったです。
やっぱりキバと同類だなぁ…とつくづく思いましたね。
親分肌でカッコイイのに、どこか頼りない(笑)
色々苦労してそうだなぁ…と思います。
矢っ張りカンクロウは苦労性! これは外せない!
色々大変だろうけど、これからも頑張れカンクロウ!
出番があるか知らないけども!(笑)
私は君に、ちょっとずつアプローチさせていただきますよ!


最後に。
『鷹翔(タカケ)』という設定は私の勝手な創作であり、実在するものではありません。
しかし、どんなに形が違えども、子どもの成長を祝う気持ちは何処でも、いつの時代でも、同じであると信じております!

では、ここまで読んでくださって、ありがとうございました…!
残り少ないGWですが、最後まで素敵なGWでありますように!












(09/5/5)